カチオンフィルターは、普通の水道水を水草の育成に最適な水質に変化させる魔法のようなアイテムです。簡単に育つはずの水草がなぜか育たないなど、水草を絶対枯らすマンにおすすめですよ!
でも実際にどんなものかを調べてみると、何やらNAウォーターだったり、よくわからない単語が多いですね。
そこで、今回はカチオンフィルターとは何か解説します!
カチオンフィルターとは?
カチオンフィルターとは、水道水に含まれる不純物(ミネラル)を除去し、軟水化するフィルターのこと。浄水器と組み合わせることで、水草の育成に最適な水が作れます。
上記画像は、カチオンフィルターがカルシウムやマグネシウムを吸着し、活性炭(カーボンフィルター)が塩素等を除去しているイメージです。
カチオンフィルターは、単体で動作するものではなく、NAウォーターやマーフィードの浄水器などに接続して使用します。
- ミネラル(MgやCa)が多いと硬度が高くなり、少ないと硬度が低くなる。
- 硬度が高い水を硬水と呼び、低い水を軟水と呼ぶ。
- 水草は軟水を好む種類が多い。
カチオンフィルターのメリットまとめ
- 水道水が硬水の地域でも、硬度を気にせず水草が育てられる。
- カルキ抜きが不要。
- 効果がなくなっても再生できる。
- 硬度は下がっても水質は水道水とほとんど同じ。
カチオンフィルターのデメリットまとめ
- 値段がそこそこ高い。
- 意外とでかいので保管に困る。
- 再生できると言っても寿命がある。
カチオンフィルターを使うには別売りの本体が必要
カチオンフィルターを使うには、まず本体が必要です。ADAではNAウォーター、マーフィードではスタンダード・ネオという商品名で販売されています。
プレフィルター:水道水に含まれるサビや細菌・水垢など不純物を除去する。
カーボンフィルター:塩素を除去する。
本体さえあれば、あとはフィルター(カートリッジ)を取り替えるだけで交換ができるんだな。
カチオンフィルターは再生可能なので寿命は半永久的
フィルターというからには、いつか効果がなくなって、交換が必要になりそうですよね。
実際にカチオンフィルターの効果は1000リットルほどでなくなります。
…しかし!カチオンフィルターはイオン交換樹脂と呼ばれるもので、食塩水で再生することができます。
このように、ほぼ半永久的に使用できるわけですね!
それでは、再生手順をチェックしていきましょう。
まず、水1リットルに対して100グラムの食塩を混ぜます。(10%の濃度)
ざらざら感がなくなるまで、しっかり溶かしてください。
次に、カチオンフィルターの上から少しずつ食塩水を流し込みます。
一気に流すと上から溢れるので、少しづつ流し込んでください。
最後に、水道水でしっかり塩分を洗い流し、浄水器に再セットして終了です。
カチオンフィルターは使わなくても問題ない場合が多い
さて、カチオンフィルターについて理解できましたが、実はほとんどの場合、使わなくても問題なく水草を育てることができます。
というのも、日本の水道水は基本的に硬度が低く、わざわざ軟水化する必要がないんです。
逆に、硬度はミネラルですから、水草の成長に必要なマグネシウムやカルシウムまで取り除いてしまいます。
硬度を下げすぎた(ミネラル分を取りすぎた)結果、水草の成長を阻害し、コケの原因になることもあります。
という最悪のデススパイラルに陥ることも‥。
龍王石を使ったレイアウトや硬度が高い地域はカチオンフィルターが効果的
カチオンフィルターが真価を発揮するのは、石組みレイアウトや硬度が高い地域に住んでいる場合です。
石組みといっても、ほとんどの石は硬度を上げません。龍王石(りゅうおうせき)を使った石組み限定です。
龍王石はミネラルが溶け出す性質があるので、どんどん硬度を上げてしまいます。
そこで、カチオンフィルターを通した水で水換えを行なうことで、硬度が上がるのを抑制できます。
カチオンフォルタ-を使いたいなら水道水と割って使う
硬度が低い水道水でもカチオンフィルターを使いたいなら、水道水とカチオンフィルターを通した水道水を混ぜて使いましょう。
割合は水道水の硬度にもよるのですが、まずは5:5の割合で水換えを行ないます。
こうすることで、必要なミネラルを取りすぎず、硬度をある程度下げる事ができます。
でも、カチオンフィルターを使う意味がないような・・?
アクアリウム用の浄水器を販売しているブランドを比較
浄水器本体は多くのアクアリウムメーカーが製造・販売しています。価格も数万円のモノもあれば、数千円で購入できる浄水器もあります。
それぞれ、ブランドごとの違いを比較してみましょう。
ちなみに、カチオンフィルターはカートリッジ式で、浄水器の高さが30cm以上あれば、ある程度互換性があります。
メルカリでは自作のカチオンフィルターが販売されていたりしますよ。
ADAの「NAウォーター」
耐圧性能 | 10kg/cm2 |
ホース径 | 15mm |
カチオンフィルターの寿命 | 1,000L |
カーボンフィルターの寿命 | 300,000L |
価格 | 10,000円 |
特徴
特徴はやっぱりADAというブランド力ですね。安心感が全然違います。メルカリで売られている自作カチオンフィルターはNAウォーター基準です。
あと、意外と安いのもポイントですね。
ADAと聞くと、高額なイメージがありますが、浄水器は安めに設定されています。
ちなみに、ADAはカチオンフィルターも販売しているので、合わせて購入しておくと良いですよ。
ADAはブランドを維持するためにネット販売を行っていないぞ。
店舗でしか購入できない点には注意してくれ。
マーフィードの「スタンダードクラシック」
耐圧性能 | 7.0kgf(重量キログラム)/cm2 |
ホース径 | 15mm |
カチオンフィルターの寿命 | 1,000L(ADAのカチオンフィルター使用) |
カーボンフィルターの寿命 | 30~50t |
価格 | 13,000円 |
特徴
マーフィードは、いろんな種類の浄水器を販売しているのが特徴で、「スタンダード ネオ」や「エキスパート150」など、様々な浄水器を販売しています。
ちなみに、マーフィードは、カチオンフィルターを販売していませんが、ADAのカチオンフィルターが使えます。
また、ホースは別売りで、直径が15mmのホースを別途用意しておく必要があります。
交換パーツも通販で購入できるから、もしものときでも安心だぞ。
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AQUAGEEKの「SIMPLE(シンプル)」
耐圧性能 | 7.0kg/cm2 |
ホース径 | 15mm |
カチオンフィルターの寿命 | 1000L(ADAのカチオンフィルター使用) |
カーボンフィルターの寿命 | 100t |
価格 | 11,000円 |
特徴
一番は処理能力が高いのが特徴ですね。100tの塩素を毎分14Lで処理します。
値段もNAウォーターより1,000円高いくらいですね。高さも36cmあるので、カチオンフィルターの互換性があります。
また、「SIMPLE jr」なるものは数千円で購入可能ですが、高さが低いので、ADAのカチオンフィルターは使えません。
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カチオンフィルターは自作できる?
カチオンフィルターがすごいのはわかったけど、本体とカートリッジの購入となると、数万円の出費を覚悟しないといけません。できれば安く抑えたいとことですよね‥。
実はカチオンフィルターは簡単に自作でき、いろんなやり方が考案されています。
例えば、カートリッジ部分を自作する方法や上部・外部フィルターと組み合わせて使う方法など。
そこで、「とにかく安く作る」をコンセプトに自作のカチオンフィルターを作ってみました。
実際に硬度は下がるのかテストしましたよ。
ぜひ、参考にしてみてくださいね!
- ペットボトル
- ゼオライト
- ウール
- シリコンチューブ
- 1方コック
必要なものはたったこれだけ。製作費約1,000円以下で揃えられますよ。
自作カチオンフィルターの手順
完成イメージはこんな感じ。
水換え用の水道水をバケツに汲み、それを吸い上げる方法です。
それでは、作り方を紹介します!
まず最初にペットボトルのキャップにチューブ通し接着剤で固定します。
水漏れを防ぐ役割もあるので、防水タイプの接着剤がおすすめですよ。
次に、ペットボトルの下らへんに穴を開けます。
ここから水を吸い上げるわけですね!
次に、ウールをペットボトルに敷きます。
ペットボトルの飲み口からウールをねじ込んで菜箸で上手く整えます。
底の穴を塞ぐように敷いてくのがポイントですよ。カチオンフィルターの要であるゼオライトが穴から落ちるのを防ぐためです。
そして、飲み口からゼオライトを投入していきます。
ちなみに、ゼオライト以外にも活性炭などいろんなモノが入れられます。貝殻を入れると逆に硬度を上げることができます。
次に、ウールをゼオライトの上に敷きます。
最後に、チューブの片方に一方コックを取り付けてキャップを締めて完成です!
ゼオライトは、イオン交換樹脂と言って、硬度を下げる働きがあるんです。
もちろん、再生も可能で食塩水を何度か通すだけで復活します。
使い方
この自作カチオンフィルターは、サイフォンの原理を利用して水を吸い上げるので、バケツに水を溜めておくことと、水槽よりも高い位置にバケツを置く必要があります。
後は勝手に水が上がってくるので、一方コックを使って流量を調整してください。
あまり流量が多いと、カチオンフィルターの効果が弱くなるので注意。
また、水が出ない場合は、口で吸い上げましょう。
普段私が行っている点滴法の水換えと相性が良いのでチェックですよ!
自作カチオンフィルターの効果は?
実際に硬度を下げる効果があるのか検証してみました。
ちなみに、我が家は硬度が低く正確なデータが取れないので、硬度が高いミネラルウォーターと水道水を混ぜて硬度12°GH程度の水を作りました。
カチオンフィルターを通した後は10°GH程度まで下がりました!
・・ただ、流量をかなり減らした上に吸い上げた水をフィルター内に約5分間ほど留まらせています。
硬度を下げる効果は非常にマイルドだが、2°GH程度下げることができた。
ただし、流量を抑えないとさほど変化なし。
まとめ
カチオンフィルターには、硬度を下げる働きがあり、水草がうまく育たなくて悩んでいるなら、一度試して見る価値はアリそうです。
ただ、日本の水道水は硬度が低めで、硬度を下げすぎてしまうリスクがあります。
水草のトラブルが硬度のせいなのか、一度チェックしてみましょう。
また、カチオンフィルターはお値段が数万円とちょっとお高めなのがネック。
簡単に自作できるので、興味がある方は挑戦してみてるのも有りですよ。
アイディア次第では、もっとデザインが良いカチオンフィルターが作れそうです。