ラミレジィは、元々はコロンビアの川の温暖な水域に生息する小型のシクリッドの仲間ですが、ヨーロッパで盛んに飼育されてきました。最近はアジアでの養殖が盛んに行われています。
ちなみに、ラミレジィは昔「アピストグラマ(Apistogramma)」の仲間だと言われていたんですよ。色々と研究が進んで「ミクロゲオファーガス(mikrogeophagus-ramirezi)」という種類だと判明し後に修正されました。
たしかに、アピストグラマとよく似ていますよね。
ラミレジィには「ジャーマンラミレジィ」や「ブルーダイヤモンドラミレジィ」など様々な品種がありますが、飼い方はほとんど同じなので、ラミレジィの飼い方としてまとめます。
それでは、ラミレジィの飼い方について確認してみましょう!!
ラミレジィの飼育難易度
ラミレジィは丈夫で飼育自体はそこまで難しくありません。ラミレジィの飼育難易度はやや簡単か普通くらいでしょう。
ただ、気性が荒い性格をしていて、同種同士の混泳には注意が必要です。
縄張り意識が強くて気性が荒い
シクリッド系全般に言えるのですが、ラミレジィは縄張り意識が非常に強いです。
ラミレジィは自分のテリトリーがあり、常に同じ場所でじっとしていることが多いです。
このテリトリー内に他種の魚が入ってくるとすぐさま追い払おうとします。
他種の魚であればこの程度ですが、同種の雄同士だとボロボロになるまで激しい喧嘩をします。
なので、他種の魚と混泳させるときは大きめの水槽で、同種同士なら相性の良いペアか1匹で飼育しましょう。
また、水草や流木を配置して、隠れ家を作るのも対策の1つですよ。
大粒のエサや浮く餌は食べない場合が多い
餌が大きすぎると、上手く食べられないことが多いです。小さめの餌やすぐに砕けるような餌を与えましょう。
また、常に同じ場所に居座る性質から、沈下性の餌がおすすめです。口元に餌が落ちるようにしてあげましょう。
私のおすすめはフレークタイプの餌です。ひらひらとゆっくり沈んでいくので、餌を食べるのが苦手な子でも食べてくれます。
また、水に入れるとふやけて、細かく砕けるので、口が小さい魚にも最適ですよ。
ラミレジィの調子が悪い理由と対策
飼いやすい魚ではありますが、飼育環境によっては餌を食べない事が多く、調子を崩しやすいです。
特に水槽に入れて間もない時期は、調子を崩しやすいので注意が必要です。
- 縄張り意識が強すぎてストレスになる
- 水質悪化で免疫力が落ちる
- 餌を食べられず調子を崩す
ラミレジィが調子を崩してしまう理由と対策をチェックしておきましょう!
水質悪化で免疫力が落ちる
ラミレジィは丈夫な魚ですが、水質悪化はどんな魚でも気をつけなくてはいけません。立ち上げ初期は濾過バクテリアが少なく、水質悪化になりやすいので注意ですよ。
また、水が淀んだ場所も水質が悪くなりやすく、流木や水草の間なども危険です。特に、ラミレジィのテリトリーは流木や水草の隙間なので注意が必要です。
水質悪化は白点病や尾腐れなど様々な病気を招くので、絶対に避けなければなりません。
縄張り意識が強すぎてストレスになる
ラミレジィは縄張り意識が非常に強く、常に自分のテリトリーを見張っていて、自分自身もストレスが溜まります。
ストレスが溜まりすぎると、次第に餌を食べなくなり衰弱していきます。
特に、隠れ家がない草原系のレイアウトでは、視界が広いので縄張りも広範囲になり、ストレスも溜まりやすいです。
対策は流木や背の高い水草を植えること。視界が遮られることで、縄張りを狭めることができます。
餌を食べられず調子を崩す
ラミレジィは低層付近に縄張りを作り、居座っています。遠くに餌を見つけても自分から食べに行こうとしません。なので、餌を上手く食べられず、そのまま調子を崩してしまうことがあります。
特に上層~中層を泳ぐ他の魚と混泳している場合、ラミレジィにまで餌が回ってこない場合があります。
混泳しているなら、ラミレジの近くに餌を落とすか、水槽全体に行き渡りやすい餌を使うこと。
フレークタイプは細かく砕けるので、水槽全体に行き渡りやすいですよ。
ラミレジィの特徴
ラミレジィの体色は品種により様々ですが、どれも青や黄色、赤などカラフルな見た目です。体色の美しさはベタにも負けていませんね!
体高も品種により異なり、スッキリとした細身からタナゴのように高さがある「バルーンラミレジィ」がいます。
また、グラミーのように水中でホバリングすることもできます。
同じ位置でじっと獲物を待ち構えているわけですね!
そんなラミレジィですが、特徴についてもっと具体的にチェックしてみましょう!!
カラフルな体色が魅力のラミレジィ!
やっぱり、ラミレジィの魅力はこの美しい体色じゃないでしょうか!?
ブルーダイヤモンドラミレジィは、名前の通り青く輝くダイヤモンドのような美しい体色をしています。
1匹でも存在感があり、水槽の主(ヌシ)のような存在になりそうですね!
ジャーマンラミレジィは、背びれに黒い縦筋が入っており、ちょんまげのような見た目です。
目の色が赤と黒で、なんかすごく威圧感がありますね。
荒っぽい性格にぴったりの姿です!笑
スネールを食べる?
「ラミレジィがスネールを捕食する」なんて話は初めて聞きましたが、どうやら本当のようです。生息域は違いますが、同じ小型のシクリッドの仲間だから、食性が似ているのかもしれません。
でも、食性って住んでいる場所に依存すると聞いたことがあります。シクリッドというだけで食性が似るとは考えられないような…?‥でも、養殖個体なら水槽にスネールくらいいそうだから、ありえる?
どちらにしても、アベニーパファーやトーマシーほど積極的に食べに行かないみたいで、スネール駆除能力は低そうですね。
ラミレジィと相性の良い熱帯魚は?
相性の良い魚はいません!!!
かなり凶暴なので、環境によっては混泳は控えたほうが良いかも。
ただ、他種の魚に対してはしつこく攻撃しないので、大きい水槽であれば可能です。カラフルな体色で、水槽の良いアクセントになってくれそう。
私なら、入れたいラミレジィに対して反対色の群泳する魚を入れますね!水槽全体をシュと引き締めてくれるはずですよ。
ラミレジィと相性の良い水草は?
背の高い水草がおすすめです。
ラミレジィの隠れ家になり、執拗に他の魚を追いかけ回すことが減ります。
後景草はもちろん相性が良いですが、活着する水草もイイですね!流木に活着させることで、水中に陰を作ってくれます。
飼育データ
名称 | ラミレジィ |
---|---|
学名 | Mikrogeophagus ramirezi |
難易度 | ★★★☆☆ |
カテゴリ | シクリッド |
大きさ | 約5cm |
水質 | 弱酸性~中性 |
水温 | 22~30℃ |
寿命 | 約4年 |
価格 | 750-2,000円 ※品種により異なる |
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ラミレジィの繁殖
ショップに売っているラミレジィのほとんどは養殖個体で繁殖が簡単です。ただ、品種改良のしすぎで、繁殖力が低かったり健康に問題のある個体が産まれる場合があります。
きれいな個体が作出されるとアクアリストにとっては嬉しいのですが、なんとも複雑な気持ちになりますね‥。
さて、ラミレジィのオスメスの判断方法ですが、オスはシュッとしていて、メスはふっくらとした体型でやや小ぶりです。
見分けるのが難しいので、オスとメスのペアで販売されているショップでの購入がおすすめですよ。
産卵用水槽を作る
原種のラミレジィが生息する川は、やや濁った「ブラックウォーター」なので、生息地と同じような環境を作ってあげるとより繁殖の成功率が上がります。
- 産卵床(大きい水草や石、流木)
- エアレーション
- 水槽
- ヒーター
- 隔離用ネット
- 稚魚の餌(インフゾリアやブラインシュリンプ)
産卵
ペアのラミレジィを産卵用の水槽に移動します。
しばらくすると、オスがメスを追いかけるようになり、メスの腹部が赤く発色(婚姻色)します。
婚姻色が現れると、お気に入りの産卵場所を見つけ、そこに卵を産み付けます。
無事、メスが卵を産み付けると、オスが卵に放精し、受精卵となります。
注意点は、オスがメスを執拗に追いかけ回して、攻撃するようならすぐに隔離しましょう。別の組みで挑戦しましょう。
夫婦で卵のお世話をするので見守りましょう。
この時、ストレスが加わると、お世話をやめてしまうことがあるので、照明の急な点灯・消灯や大規模な水換えは控えます。
2~3日ほどで孵化します。
親は稚魚のお世話をしますが、夫婦喧嘩したり稚魚を捕食することがあるので、孵化したら別の水槽に移動させると安全ですよ。
ただ、親がお世話するのが理想的ですね。捕食しないようなら親に任せましょう。
また、卵も捕食する場合があるので、産卵した段階で隔離する方法もあります。この場合、卵に新鮮な水が届かなくなるので、卵が取れない程度に強いエアレーションを実施します。当然、直接当てるのはNGですよ。
- 2~3日で孵化する。
- 親が卵・稚魚の世話をする。
- 親が捕食する場合があるので、場合によっては隔離する。
稚魚の育成
孵化してからしばらくは、ヨーサックという栄養の詰まった袋で栄養補給するので、餌も水換えも不要です。弱めのエアレーションのみでOKです。
しばらくの間、ヨーサックの重みで沈んでいますが、そのまま見守っておきましょう。
4~6日ほど経つと泳ぎ始めます。ヨーサックがしぼみ、泳ぎそうだったら餌を与えましょう。
エアレーションは弱めでOKです。酸欠になるようなら強くします。
餌は沸かしたブラインシュリンプを与えます。ブラインシュリンプは活餌で水質を悪くしません。なので、泳ぎだす1~2日前に投入して大丈夫です。
常に餌を捕食でき、お腹が餌の色で染まっている状態にしておきましょう。
餌を与えだすと、糞等で水質が急激に悪くなるので、毎日少量の水換えを実施します。
- 泳ぎだす前にブラインシュリンプを与える。
- 常に餌が食べられる状態を作る。
- 毎日少量の水変えを実施する。
ラミレジィの色揚げ方法
体色が美しいラミレジィですが、環境によっては色が褪せてしまう場合があります。
- 消化不良や体調不良だと色が薄くなる
- 稚魚のときから飢餓状態だと発色が悪くなる
- 高齢になると色が薄くなる
- 色が薄い個体で繁殖させない
それでは、ラミレジィの色揚げのポイントを押さえておきましょう!
消化不良や体調不良だと色が薄くなる
魚の体色は、健康のバロメーターと言われており、体調を崩すと色も薄くなります。特に、餌の質が悪いと消化不良を起こしやすく、体調を崩しやすいです。
そして、水質悪化にも注意が必要です。水質が悪いと病気にもなりやすくなるので、絶対に避けなくてはなりません。
対策は、ラミレジィにとって快適な環境を作ることと、消化の良い餌を与えることです。
定期的な水換えと、消化の良い餌を使いましょう。
オススメの餌はフレークタイプです。水でふにゃふにゃになるので消化もしやすいんです。
フレークタイプの餌で、色揚げ効果があるモノだとなお良いですね!
稚魚のときから飢餓状態だと発色が悪くなる
体色は、稚魚の時期にどれだけ良い餌を与えられたかも影響します。
稚魚はまだ色素細胞が発達しておらず透明ですが、大人になるにつれて色が出てきます。
私の推測ですが、この色素細胞が作られる稚魚の時期に栄養が少ないと、大人になっても色が薄い状態になるのではと思っています。
美しく発色させたいなら、稚魚の時からたっぷり餌を与えておきましょう。
高齢になると色が薄くなる
人間が老けるのと同じように、魚も歳を取ると老けて色が抜けてきます。
これはどうしようもないですね‥。
特にラミレジィは群泳ができないので、色褪せが目立ってしまうかもしれません。
それもまた味だと思いましょう!
色が薄い個体で繁殖させない
遺伝的に色の揚がりが悪い場合があり、色が薄い個体で繁殖させると、親の遺伝を引き継いで、子も色が薄くなることがあります。
対策は、色がキレイに揚がっている個体同士で繁殖させること。
子は親の遺伝を受け継いで、キレイに揚がる確率が高くなります。
ただ、親の遺伝を受け継がない子が産まれる場合もあり、確率で色が薄い子が産まれます。
ラミレジィの性格
ラミレジィは凶暴な性格です。
水槽内では特定の場所に縄張りを持ち、縄張りに入ってくる魚を攻撃します。他種の魚では追い払う程度ですが、同種だとボロボロになるまで攻撃することも。
一方で、ペアになったオスメスは常に寄り添い合って、夫婦で子育てをします。人間で言うと、ヤンキーだけど実は優しくて一途的な性格とでもいいましょうか。笑
ラミレジィの販売情報
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