どんな魚を入れようかな?
どんなレイアウトにしようかな?
一番楽しくて、一番ワクワクする水槽の立ち上げ。
でも、アクアリウム初心者の方は、「上手くセッティングできるか不安」「失敗したらどうしよう」などなど、不安も多いですよね。
1回水槽を立ち上げてしまうと、なかなかやり直しも難しいです。
そこで、今回はド素人でも失敗しない水槽の立ち上げ方をご紹介します!
欠陥住宅とかやめてくれよな。
失敗しない水槽の立ち上げ方
水槽の立ち上げは大きく分けて「パイロットフィッシュ法」「フィッシュレスサイクル法」の2があります。
今回は、この2つの立ち上げ方について学んでいきましょう。
そもそも水槽の立ち上げとは?
そもそも、水槽の立ち上げって何?水入れて終わりでしょ?
なんて思っている方多いと思います。
水槽の立ち上げとは、簡単に言うと「魚が住める環境づくり」のこと。
「水槽に水を入れて終わりなんじゃないの?」
実はこれ、絶対にダメ!!知識がない初めての方がやりがちで、熱帯魚の死因ベスト3にも入るくらい危険な行為。
というのも、水道水には、消毒のために塩素(カルキ)が入っています。
塩素ガスが人間にとって有害なのと一緒で、魚にも有害なんです。
もっと具体的に言うと、「肺に有害」なんですね。
人間は、空気中の塩素ガスを吸い込むことで影響を受けますよね。
魚は、水中の塩素分がエラに入ることで影響を受けるんです。
もちろん、魚以外にも水槽立ち上げに不可欠なバクテリア(後述)にも悪影響があります。
じゃあ、どうするのかというと、カルキ抜き(塩素抜き)が必要になります。
こんなやつですね!熱帯魚ショップで、見たことがある方も多いのではないでしょうか?
これで塩素を中和してあげる必要があるんです。
そして、水槽の立ち上げが必要な理由その2が濾過(ろ過)バクテリア。
水道水は、塩素のせい(おかげ?)でバクテリアがいません。
でも魚にとって安全な水にするためには、ろ過バクテリアが必要不可欠。
水に溶け込む有害な成分(アンモニアや硝酸)を分解する働きを持つバクテリアのこと。
ニトロモナスやニトロスピラがいる。
また、有害な成分から無害な成分にする一連のサイクルを「消化サイクル」という。
このように、水槽の立ち上げとは、
- 水槽で使う水道水からカルキ(塩素)を除去する。
- バクテリアを繁殖させて、水槽のろ過能力を限界まで引き上げる。
この2つを整える作業のことを指します。
では、水槽の立ち上げについて理解したところで、本題に入ります!
水槽の立ち上げ方には「パイロットフィッシュ法」と「フィッシュレスサイクル法」があると言いましたよね。
どちらの方法でも水槽の立ち上げは可能ですが、それぞれ一長一短があります。
パイロットフィッシュ法
パイロットフィッシュ法とは、水槽が立ち上がっていない状態(もちろんカルキは抜く)の水槽に魚を入れてしまう方法です。
魚の糞がバクテリアのエサになるわけですね。
やり方
- 水槽にカルキを抜いた水を入れたらフィルターを稼働させ、水の濁りが取れるまで1日ほど置いておきます。
- パイロットフィッシュの水合わせをし、水槽に入れます。
入れる数は1匹あたり10cm水槽以上になるようにすると魚の負担を減らすことができます。
例 30cm水槽・・・3匹
45cm水槽・・・4匹
60cm水槽・・・6匹 - 翌日からアンモニア・亜硝酸の濃度を調べます。
- 危険な(高い)数値がでたら、水を3分の2ほど入れ替えます。
- 3〜4をアンモニアがゼロで、亜硝酸はゼロまたは低い値になるまで繰り返します。
注意点は、水ができていない水槽に魚を入れるわけですから、魚にとっては大きな負担になります。
ポイントは、とにかく一つ一つ丁寧に作業すること。
また、最初は危険な数値が高く出る時期が続きます。
そのため、頻繁な水換えが必要です。
あと、水槽が立ち上がっても、いきなり魚を増やさないこと。
少しずつ増やしていくのがポイントです。
水槽が立ち上がってもまだまだ不安定!
安定するまで少しずつ、魚を増やしていきましょう。
メリット
- 早い段階から魚を入れることができるため、水槽を組み立てたら翌日には熱帯魚を飼うことができる
- 水槽が立ち上がるまで空の状態で動かす必要がない
デメリット
- 飼う熱帯魚が限定される
- 水が安定するまで頻繁な水換えが必要
- 魚に大きな負担になる(最悪☆になることも)
パイロットフィッシュに最適な熱帯魚
カージナルテトラカージナルテトラの飼い方・購入について確認する!
ネオンテトラ
ネオンテトラの飼い方・購入について確認する!
アカヒレ(コッピー)
アカヒレ(コッピー)の飼い方・購入について確認する!
どの魚も綺麗なのに丈夫な魚。
今後飼うのにも、パイロットフィッシュとしても、もってこいの熱帯魚ですね!
フィッシュレスサイクル法
フィッシュレスサイクル法とは、その名の通り魚を使わずに水槽を立ち上げる方法です。
魚の糞がないので、別の方法でバクテリアのエサを作る必要があります。
例えば、熱帯魚のエサ、マグロの切り身を入れる方も。
巷では前述したパイロットフィッシュ法が主流みたいです。
ただ、個人的には魚のストレスがない・好きな魚がいれられるということで、「フィッシュレスサイクル法」を推奨しています。
特に水草をたくさん入れたい方は、比較的楽しみながら水作りができるので、この方法が特におすすめ。
できれば、フィッシュレスサイクル法で立ち上げてほしいぞ。
メリット
- 好きな魚を入れることができる。
- 頻繁な水換えが必要ない。
- バクテリアが十分いるので立ち上がり後も水槽が安定する。
- 魚に水草を引っこ抜かれる心配がない。
デメリット
- バクテリアの餌によっては、水カビや臭いが発生することがある。
- 硝化サイクルができるまで(水槽が立ち上がるまで)は魚を入れられない。
ちなみに、私は魚を入れる時間がなくて、1年間水草だけの水槽だった時期があります。笑
やり方
ここでは、魚の餌などを使用しない私がいつもやっている立ち上げ法を紹介します。
この方法で水槽を立ち上げている方も結構多いのでは?
この方法では、フィッシュレスサイクル法のデメリットである「水カビ」や「臭い」が発生しません。
- 水槽にカルキを抜いた水を入れたら、フィルターを稼働させ、水の濁りが取れるまで1日ほど置いておきます。
- 水草を大量に植えます。
水草を入れたくない場合、水槽が立ち上がったら全て抜く。 - 翌日からアンモニア・亜硝酸の濃度を調べます。
- 1~2週間に1度定期的な水換えを3分の2ほどします。
- 3〜4をアンモニアがゼロ、亜硝酸がゼロまたは低い値になるまで繰り返します。
「この方法なら魚もいないし、水換えいらないんじゃないの?」
たしかに、水換えをしなくても問題ないです。
ただ、コケが大量にでてくるので、見栄え的に水換えは必要です。
コケが出ても問題ないって方は、水換えしなくてもOK。
コケても大丈夫って方以外は定期的に水換えが必要。
特に、ソイルを使ってる場合、過剰に養分が出るので、見栄えが気になる方は水換え必須かも?
また、水草は多ければ多いほど、立ち上がり後の安定度が高まります。
「水草多い=バクテリアのエサが多い」ですからね。
おすすめ水草
水上葉は水中化する際に、葉が枯れます。
枯れ葉は、バクテリアの餌になるので、立ち上げに使う水草にもってこいです。
水上葉とは、陸でも育つ植物のことのこと。
逆に水中葉は、水中でも育つ植物のこと。
水上葉から水中葉に変わることを「水中化」という。
また、成長の早い水草を入れればソイルの養分をグングン吸収し、コケの発生も抑えることができます。
水草であればどんな種類でも立ち上げは可能。
ただ、種類によっては水質が悪すぎると溶けてしまうので、そこそこ強い水草がおすすめです。
ロタラ系などの葉から養分を多く吸収する水草は、コケに栄養が回る前に吸収してくれるので特におすすめ。
グリーンロタラ(水上葉)
グリーンロタラの育て方・購入について確認する!
どれもレイアウト的にとってもイイ水草です。
しかも成長が早く水質浄化力も高いので、パイロットプランツに最適です!
水槽の立ち上げの疑問
アクアリウム初心者が一番最初にぶち当たる壁が「水槽の立ち上げ」です。
私が初めて水槽を立ち上げた際に感じた不安や疑問点をQ&A形式でまとめてみました。
少しでも不安が取り除ければいいなと思います!
なんか水が白く濁ってきたんだけど大丈夫?
安定した水槽でも、水換え時に稀に見られる「水槽の白濁」。
実はこれ、バクテリアの死骸です。
急激な環境変化や酸欠等によって、バクテリアが耐えきれなくなると大量に死亡し、白く濁った水になります。
ただ、立ち上げ中はそもそもバクテリアが少ないので、白く濁ることはありません。
別の原因が考えられます。
- ソイルなどの低床の汚れ
- バクテリアの元を入れた
どちらの場合も、特に問題はありません。
解決策は、フィルターを稼働させて放置です。
うわっ!茶色いコケが大量に・・。最初からやり直したい
茶色いコケは、茶ゴケと言われる珪藻類の仲間。
基本的に、立ち上げ初期にガラス面にでてきます。
最初は、「立ち上げに失敗した」と感じるかもしれませんが、安心してください。
水質が安定してくると、自然に消えます。
ただし、コケとの戦いはここからです!
安定した水槽では、もっともっと厄介なコケがでてくるので、覚悟しておくように!!
魚を入れるタイミングは?
実は、どの段階からでも魚は入れてOK。ただし、一気に入れるのは絶対避けること。
3~4匹(60センチ水槽なら倍の数)ずつ増やしていくようにしてください。
魚の安全を考えるなら水質悪化に弱い魚は、亜硝酸がゼロ、または低くなってきたら入れるようにしてください。
といっても、慣れてくると「もう入れられそう」とか「もうやめたほうが良さそう」とか感覚でわかるようになってきますよ。
水換えは毎日するべき?
パイロットフィッシュ法は、生体ががいるわけですからアンモニアの数値が高ければ、水換えをするべきです。
毎日するかどうかは、アンモニアの数値によって変わってきます。
逆に、フィッシュレスサイクル法であれば、極力水換えはしないほうが良いです。
ただ、コケが出るから仕方なく水換えをするって感じですね。
水質悪化とは、バクテリアのエサが十分にあることと同じ。
水換えによってエサを取り除いてしまうと、立ち上げに時間がかかってしまいます。
水槽の立ち上げを早くしたい!
一番手っ取り早いのは、信頼できるショップから種水をもらうことです。
バクテリアの元と違って、生きた水なわけですから、立ち上がりも早くなります。
ただし、信頼できないショップだと、病気を持ち込んでしまう可能性もありますから注意してください!
Charmというネットショップは、超有名で私も良く利用しています。
今まで死着ゼロ、逆にミナミヌマエビが3匹くらい多く入っていたこともありました笑。
かなり信頼性は高いので、おすすめですよ。
水槽の立ち上げに失敗!なぜ・・・。
硝化サイクル(ろ過サイクル)ができる前に大量の生物を入れてしまうと、水槽のろ過が間に合わずアンモニア濃度が高くなってしまいます。
何度も言いますが、立ち上げ中(初期)の水槽はかなり不安定。
ろ過能力もかなり低いです。
少しづつ、安定した水槽に育てていくのがコツです。
水槽で一番重要なのは、照明でもフィルターでもありません。
「バクテリア」です。
バクテリアが死滅すれば、水槽も崩壊するし、バクテリアが元気なら水槽も元気にになります。
元気な水槽を立ち上げて、私と一緒にアクアリウムライフを楽しみましょう!