前景草であるキューバパールグラスは葉がとても小さく、どうやって植えたらいいか悩む水草ですよね。今回は、キューバパールグラスの育て方の記事にある「植え方」に重点を置いて具体的に解説します。
キューバパールグラスの増やし方やトリミング・特徴についてはこちら。
また、綺麗に植えてもキューバパールグラスは、水質管理が難しくうまく育てられない方も多い水草です。そこで、キューバパールグラスが「うまく育たない原因」についてもまとめました。
キューバパールグラスが浮いてきてしまう理由
キューバパールグラスを根っこを掴んで、丁寧に底床に植えてもすぐに浮かんできてしまいます。
これはキューバパールグラスを植えた直後は、まだ根付いていないから。
ストッパーとなる部分が少ないのも理由の1つですね。
同じ前景草であるグロッソスティグマは、葉をストッパー代わりに植える事で、浮いてしまうのを防ぎます。
しかも、普通は育ってくると根張りが良くなって、かんたんには抜けなくなりますよね。
キューバパールグラスも根っこを底床に張り巡らすので浮きにくくはなりますが、他の水草よりも根が短いためやっぱり浮いてしまいます。
キューバパールグラスが浮いてくるのを防ぐ綺麗に植える方法
浮かび上がってくるのを防ぐ方法はいくつかあり、その代表的な植え方をご紹介します。
- ちぎって底床に埋める
- タイル状のまま底床に植える
- ミスト式で水槽を立ち上げる
ちぎって底床に埋める
キューバパールグラスは、よくタイル状で販売されているのですが、これをちぎって底床に埋める方法です。
「植える」のではなく「埋める」のがポイントです。
これが一番王道的なやり方ですね。
ちぎって埋める事で水槽全体に植えることができて、完成途中でもまあまあ綺麗に見えるレイアウトになるのがメリットです。
この方法の欠点は、なんといっても手間がかかること。
大きい水槽になると、その作業量は半端じゃありません。
これはほとんどの前景草に言えることですが・・。
もう一点注意することがあり、植えた直後にヤマトエビなど底床をいじる生体を入れるとほじくり返されます。
朝起きて水槽を見たら「大量のキューバパールグラスが浮いていた」なんてことも‥。
また埋めればいいのですが、浮いては埋めるを何度も繰り返えす行為は水草にとって大きなダメージです。
というか面倒くさい!
冷たい水の中に手を入れるこっちの気持ちにもなってほしいですね!!
なので、できればしっかり根付いたところでエビやオトシンなどのコケ取り生体を入れるようにしましょう。
埋める際のポイントですが、案外適当に埋めてもなんとかなるので、神経質にならないようにパパッと埋めることですね。笑
- 完成途中でもまあまあ綺麗に見えるレイアウトになる。
- 面倒くさい。
- エビがいるとほじくり返されて浮いてしまう。
タイル状のまま底床に植える
上記にも書いたように、キューバパールグラスは、よくタイル状で販売されています。
そして、そのまま埋めてしまう方法がこれ。
もちろん水槽に入れる前は、しっかりトリートメントしてあげる必要はありますが、ちぎって植えるよりも格段に楽です。
方法も簡単で、タイル状のキューバパールグラスの上に砂(またはソイル)をかぶせて浮いてくるのを防ぐだけ。
レイアウトよっては不自然な感じになることがありますが、キューバパールグラスは環境に適応すると凄まじい繁殖力を見せるので、だんだん自然になっていきます。
ただし、エビにほじくられるとやっぱり浮いてきてしまいます。
根付くまでは爪楊枝などで固定してあげると浮きにくくなりますよ。
カタマリで植えるからできる技ですね。
- 植えるのが楽
- 植えた直後はレイアウトが不自然。
- 爪楊枝を使うことで浮きにくくなる。
ミスト式で水槽を立ち上げる
おそらく、もっとも浮くのを防ぐのに適している方法です。
ミスト式というのはレイアウトが完成するまで、水槽に水を張らずに立ち上げる方法です。
水を張らないのでそりゃ浮いてきませんよね。笑
しかも水を張らないので光の減衰もなく、直接水草に光を当てることができます。
水がないのでコケの心配もありません。
結構新しい立ち上げ方法ですが、最近徐々に知られるようになりましたね。
- ちぎったキューバパールグラスを軽く植える。
注水量によっては植えたい位置に置くだけでも大丈夫。 - 湿度を上げるために霧吹きで全体を湿らせる。
- 水槽をサランラップで密閉します。
- 定期的に霧吹きをする。
低床の凹んでいるところに少し水たまりができるくらいかな?
水槽壁面に常時水滴が付くくらいがベストです。
水が少なかったり密閉できていないと、水草がカピカピに乾くので注意してください。
新鮮な水をあげるために、定期的に霧吹きをする必要がありますが、何度も植え直す手間を考えると圧倒的にメリットの方が多いです。
ただ…、ミスト式はトラブルも多いです。
一時的とはいえ、水中葉を水上で育てるわけですから、それなりに難易度が高め。
あと立ち上げ中は魚がいれられないのがネックですね。
どんな魚を入れようか?楽しみに待ちましょう!
- 確実に浮いてくるのを防ぐ事ができる。
- 定期的な霧吹きが面倒くさい。
- やや難易度が高い植え方。
- 立ち上げ中は魚がいれられない。
綺麗に育たない3つの原因
綺麗にに植えられても、綺麗に育たなかったら元も子もありません!
上手く育たずに枯れてしまう主な原因は3つです。
- 水質が合っていない。
- 光量が足りていない。
- 肥料不足。
水質が合っていない
キューバパールグラスを含めパールグラス系は、他の水草よりも高めの硬度が必要です。
絶対にそうである必要はないですが、弱酸性〜中性のpHと高い硬度が必要です。
水質が合っていないと、肥料をあげているのになぜか溶けるといったトラブルが起きます。
他の水草はソイルを使うだけで、水草に合った水質が作れますが、キューバパールグラスの場合、ソイルを使うことで逆に硬度を下げてしまいます。
もしソイルを使う場合、フィルターの中に石やサンゴ砂などを入れて硬度を上げるようにしましょう。
さらに地域にもよりますが、日本の水道水は軟水が多いです。
なにも考えずに水道水で水換えをすると、上手く育たないんです。
また、カチオンフィルターをつかている場合も注意。カチオンフィルターには硬度を下げる効果があり、キューバパールグラスとの相性は最悪に悪いです。
もしまだ硬度を測ったことがない方は、一度検査してみては?
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- ソイルを使用している方
- 石組み「でない」レイアウトの方
- 何も考えずに水道水で水替えをしている方
光量が足りていない
キューバパールグラスは、前景草で高い光量を要求します。
光量が足りていないと、上に伸びたり、光合成ができずコケに覆われる・光量不足で枯れてしまうなどトラブルが起きます。
実は光は水などで大きく減衰してしまい、水槽の底付近では元の光の50%も届いていないのです。
キューバパールグラスを育てるなら、高額ですが高光量のライトが必要です。
すでに光量が強いライトを使っているのにうまく育たないよ!って方は、交換球の劣化が原因の可能性もあります。
蛍光灯の場合、交換球の劣化などで光量が大きく下がるので、早めに交換しないと「今までは綺麗に育ってたのに最近成長速度が遅くなった」「最近水草が上に伸びる・立ち上がってきた」等の問題が見られるようになります。
人間の目って、慣れてきちゃうんですよね。
私も交換して初めて光が弱くなっていることに気付きます。
「点かなくなったら交換」というよりは「購入してから◯ヶ月経ったから交換」というように、経過した日数で買い替えを決めた方が良いです。
単純に肥料不足
キューバパールグラスは肥料食いでも知られています。
多量の肥料を要求するのにソイルが使いにくいことから、肥料不足になりやすい水草なんです。
肥料不足になると「葉の白化・黄化」「成長鈍化・溶ける」「葉が小さい・萎縮している」「ちぎれる」などいろんな症状が出てきます。
ただ、肥料は奥がとても深くて、様々な原因が相互に作用しあっていて何が不足しているのか見つけるのがとっても難しいです。
例えば「葉の白化現象・萎縮が見られるからカリウム不足だ」と判断してカリウムを添加したが改善が見られず、より症状が悪化てしまった。
というケースでは、実はカリウム不足による症状ではなくて、カリウムを過剰に添加したせいだったんです。カリウムの過剰添加は、カルシウムやマグネシウムの吸収を阻害します。その証拠に以前よりも症状が悪化していますね。
ちなみに、これ私の実体験です。笑
肥料不足が原因の場合、どの栄養素が不足しているのか特定するのは難しいです。
間違った栄養素の添加をしてしまって、逆に過多になってしまうことがよくあるので注意ですね。
肥料不足になりやすい水草ですが、慣れるまでは肥料の添加は慎重に行うべきです。
しっかり水槽の状態を見極めてから、少しづつ添加するようにしましょう。
まとめ
キューバパールグラスの植え方から育たない原因について紹介しましたが、実はほとんどのケースが「硬度が足りない」又は「光量が足りない」のが原因です。
硬度については、日本の水道水が軟水であるためにどうしても下がってしまいます。
水換えのタイミング等で定期的に硬度を測るようにしましょう。
キューバパールグラスは育てるのが難しいと思われがちですが、硬度に注意して環境さえ整えていれば急に溶けたり枯れる事はありません。
実はそこまで神経質になる必要はないんですよ!