キューバパールグラスは名前の通りキューバに自生しているゴマノハグサ科ミクランテムム属の水草です。湿地帯に自生している湿生植物で、水中葉と水上葉を切り替えながら生活しています。
別種のパールグラスは中央アメリカに自生しているので、パールグラスが変異したってことでしょうか・・?詳しくはわかりません!!
つまり、キューバの真珠のような牧草という名前だな。
それでは、キューバパールグラスの育て方についてチェックしてみましょう!
キューバパールグラスの難易度
キューバパールグラスは、安定してくるとものすごい勢いで繁殖しますが、弱酸性で高硬度という面倒くさい環境を用意する必要があります。
また、光量も肥料も大量に要求するので、ハイグロフィラ・ポリスペルマ、アヌビアス・ナナといった水草と比べると難易度は格段に高くなります。
浮きやすい
湿生植物の多くは根っこが貧弱で、キューバパールグラスも例外ではありません。
ちょっとした衝撃でかんたんに浮いてしまいます。
特に、大量に密生したキューバパールグラスの絨毯は浮力も強く、ベリベリと絨毯ごと剥がれてしまう場合があります。
まさにそらとぶ絨毯状態ですね。笑
対策は、定期的にトリミングを行うこと。密度を減らすことで、浮きにくくなります。
また、植えた直後は特に浮きやすいので、エビの導入は根付いてからにしましょう。
キューバパールグラスが育たない・枯れる
キューバパールグラスは成長が早く、調子が良いと爆発的に増殖します。美しい絨毯を作ってくれるはずですよ。
ただ、やや難易度が高めで、水質の違いなどでかんたんに調子を崩します。
- 硬度が低いと溶ける
- 肥料不足だと調子を崩す
- 光量が足りないと成長が鈍化し枯れる
- 水上葉だと一度溶ける
キューバパールグラスが育たない・枯れてしまう原因をチェックしておきましょう!
硬度が低いと溶ける
特に注意しないといけないのが、硬度です。
多くの水草は低硬度の環境を好みますが、キューバパールグラスは逆に高硬度を好みます。硬度が低くいと上手く育てられず溶けてしまうので注意しましょう。
対策は硬度を上昇させる石(龍王石)やサンゴ砂を使うこと。かんたんに硬度を上げられるのでおすすめです。
レイアウト的に石・サンゴ砂を水槽内に入れたくない場合は、フィルターに入れる方法があります。水景を変えることなく硬度を上げることができますよ。
また、硬度が上がると水質はアルカリ性に傾きます。キューバパールグラスは「弱酸性」の水質が必要なので、硬度の上げすぎには注意しましょう。
一度にたくさんのサンゴ砂や龍王石を入れると、硬度が上がりすぎるので、何回かに分けて少しづつ入れるようにしてください。急激な水質変化を防ぐ効果もあります。
肥料不足だと調子を崩す
キューバパールグラスは、強い光量とCO2、そして多量の肥料が必要です。水槽を立ち上げてからある程度は、ソイルから栄養を供給できますが、時間が経つにつれて肥料が切れてきます。
肥料不足になると新芽(頂芽)の白化が見られるようになります。深刻な肥料不足になると、枯れてしまう場合もあります。
一度調子が良くなると、ものすごい速さで成長・増殖するので、肥料の要求量も多くなり、すぐに肥料切れを起こします。ソイルの肥料量は少しづつ減ってくるのに要求量は逆に多くなるわけですね。
しっかり観察して、肥料不足に気をつけましょう。
ちなみに、高硬度を要求するキューバパールグラスは、水質を弱酸性に傾けてしまうソイルとは相性が悪いです。そういう面からも栄養不足が起きやすい傾向にあるので注意が必要です。
光量が足りないと成長が鈍化し枯れる
キューバパールグラスは、光合成を活発にするので必要な光量も多いです。
特に光は、水中の不純物などで前景草まで届きにくく、陸上では強い光でも水中ではかなり弱いことが良くあります。
光量が不足すると、横に這わずに上へ上へ伸びたり、水草に使われるはずだった肥料分がコケに使われ、水槽がコケだらけになる場合があります。最悪の場合、光量不足で枯れてしまうこともあるので注意してください。
照明を選ぶときは、見た目の光量はあまり参考になりません。光の強さを確認するときはワット数(LEDはルーメン)でチェックするようにしましょう。
水上葉だと一度溶ける
購入したキューバパールグラスが水上葉だった場合、一度溶けて(枯れて)から水中葉を展開します。これは防ぎようがないので、あれこれいじらずに見守っておきましょう。
水中化は相当エネルギーを使うらしく、水草の状態が悪いと水中化に失敗する場合があります。特に植えた直後が最も失敗しやすいので、キューバパールグラスが育ちやすい環境を整えることと、状態の良い株を購入するようにしましょう。
ちなみに、水上葉は水中で全く光合成ができないわけではありません。水中葉と比べると効率が悪いだけで光合成自体は可能です。なので植えた直後でもソイルは有効ですよ。
キューバパールグラスの特徴
キューバパールグラスは、葉がとても小さく、草丈が1~2cmで葉の大きさは3mmくらいしかない小さな葉が最大の特徴です。
以前は気泡をたくさん付ける水草として人気がありましたが、現在はレイアウトの思考の変化や、新しい水草の登場によって人気が下火傾向にあるようです。
以前よりは人気が下がったとはいえ、キューバパールグラスの魅力が無くなったというわけではありません。光合成を活発に行なって、気泡がひっきりなしに湧き上がる水景は、観る者の目を奪う美しさがあります。
現在でも水草水槽コンテストの作品にはキューバパールグラスが使われたり、アクアリウム上級者にも人気がある水草の一つです。特に高硬度を必要とする水草であることから、硬度を上げてしまう龍王石を使ったレイアウトでは頻繁に利用されています。
そんなキューバパールグラスですが、特徴についてもっと具体的にチェックしてみましょう!!
キューバパールグラスを水槽に植えるならどのあたりが良い?
底床をべったり這うように成長するので、前景に植えるのが王道ですね。
というか中景・後景は無理です。笑
背が低い上に強光量を要求するので、陰になるような場所には植えられません。
キューバパールグラスの定番のレイアウトは石組みですね。
石の隙間から這うように成長するので、自然の朽ちた感じのとても美しい水景が作れるはずですよ。
オススメの植える場所 | |
---|---|
前景 | ○ |
中景 | × |
後景 | × |
キューバパールグラスの魅力は小さく可愛らしい葉!
パールグラスよりも節間が短く、葉も一回りくらい小さい可愛らしい草体をしているのが魅力ですね。小さい草体から小型水槽の前景に利用されたり、かわいらしい水槽を作りたいときにも使われる水草です。
小さな葉からキューバパールグラスは水槽に繊細なイメージを与えてくれます。底床一面を覆った水景がとっても美しいですよね!
特にキューバパールグラスの絨毯は、小さい草体でありながら、水槽全体に迫力を感じさせるほど美しいです。草姿全体が薄緑色で統一されて、レイアウト全体に一体感があります。
また、キューバパールグラスの絨毯を泳ぐ熱帯魚の群れは壮観ですよ!
キューバパールグラスと相性の良い魚は?
キューバパールグラスの良いところは、魚の遊泳できる空間が多いことですね。小さめの魚をたくさん群泳させると迫力のある水槽になります。
自分だったら小型の魚と、ホワイトフィンロージーテトラのような体高のある魚をアクセントに入れますね!
ホワイトフィンロージーテトラは緑色の水草と相性が良いので、キューバパールグラスに上手く馴染んでくれるはず。
キューバパールグラスと相性の良い水草は?
キューバパールグラスは高硬度を要求する水草なので、同様に硬度を要求する水草と相性が良いです。
例えばパールグラスや アルテルナンテラ・レインキーはやや硬度が必要なので相性が良いです。
キューバパールグラスと相性の良い水草は少なくて、レイアウトにオリジナリティが出しにくいのが難点ですね‥。上手に工夫しながら「自分らしい水槽」を作ってみてください!
育成データ
名称 | キューバパールグラス |
---|---|
学名 | Hemianthus callitrichoides |
難易度 | ★★★☆☆ |
カテゴリ | 前景草 |
水質 | 弱酸性〜中性 |
硬度 | 6〜7 |
光量 | 4灯以上 |
CO2添加 | 2滴/ 1秒 |
価格 | 1カップ¥860〜¥1100 |
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キューバパールグラスの植え方
キューバパールグラの植え方は5株ほどまとめて植えます。植える際は、上の葉が少し顔を出すくらい埋めます。
コツとしては、根が張るまでは浮きやすいので、下の葉を底砂の中に植えこみストッパーのようにします。
植えるというよりは、埋める感じが近いですね。
ちなみに、キューバパールグラス含め、パールグラス系は仮根を持たないので活着しません。
石の上を這うようなレイアウトが作りたい場合、這ってほしいところに軽くソイルを敷きましょう。
どうしても浮いてきてしまう方が多いようなので、上手に植える方法をまとめました。
- 5株ずつ植える
- 下葉をストッパーにする
- 植えるではなく埋める
キューバパールグラスのトリミングと増やし方
キューバパールグラスはとても小さい水草ですが、グリーンロタラなどの後景草と同じように、ちゃんとした有茎草になります。
トリミングの基本は「芝を刈るようにカット」です。増やし方は、一応あるのですが浮きやすい点と成長が早い点から、勝手に増えるのを待つのが基本です。
それぞれチェックしてみましょう!
繁茂してきたら全体的にトリミングする
トリミングの基本は全体的にザクザクとカットするだけでOKです。
調子が良いとカットしたところ(成長点・節目)から複数の脇芽が出てより密度が高くなります。根付いてから一度深めにカットすると早く絨毯化できますよ。
また、ボリュームがですぎているころは重点的にトリミングしましょう。
前景草全般に言えることですが、成長していくと相当な厚みになっていきます。下葉に光が届かなくなり、枯れてしまうことがあるのでトリミングはしっかり行いましょう。
トリミングせず放置すると、枯れてしまうだけでなく通水性が悪化してコケ・病気が発生することもあります。
増やし方は「カットした上葉をもう一度植える」「根っこ(ランナー)を切る」
キューバパールグラスの増やし方は、「トリミングで出た上葉をもう一度植える方法」と「底床内でランナーをカットする方法」の2つがあります。
ただ、無理に増やそうとせず、勝手に増えるのを待つほうが良いですね。調子が良いと成長が早いので勝手に増えますよ。
トリミングで出た上葉をもう一度植える方法
キューバパールグラスは有茎草なので、カットした上葉をもう一度植えるだけで新しい芽が出ます。
茎がなく葉っぱだけのモノは当然ですが増えません。また、小さい株は植えるのが難しいので、できるだけ大きい株を選びましょう。
底床内でランナーをカットする方法
キューバパールグラスはランナーを持っていて、そこから新しい株が出てきます。
なので、底床内でランナーを切るようにカットしてくと、切り口から新しい芽が生えます。
ボリュームが少ない又は多すぎると、ハサミの抜き差しの衝撃で浮いてしまうことがあるので注意してください。また、底床が砂利タイプだとハサミの刃が欠ける場合があります。
ちなみに、分離した株を抜いて別の場所に植える方法もありますが、どの株がつながっているのかわからないので、引っこ抜かないほうが良いです。
下手にいじると全部引っこ抜けます!!
- トリミングはボリュームが有るところを重点的にカットする。
- 無理に増やそうとしなくて大丈夫。
キューバパールグラスの販売情報
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