クリプトコリネ・パルヴァはスリランカなどの南アジア原産で、サトイモ科クリプトコリネ属の陰性の水草です。
スリランカは雨季と乾季がある環境で、水上化と水中化を繰り返し生息しています。環境の変化に適応するためにいったん葉を溶かし、再び環境にあった葉を展開します。
マイナーな水草ですが、実はとても扱いやすく、アクアリウム歴の長いベテランからはひそかに好まれている水草なんですよ！
それでは、クリプトコリネ・パルヴァ(パルバ)の育て方について確認してみましょう！！
クリプトコリネ・パルヴァの難易度
クリプトコリネ系は環境の変化でかんたんに葉を溶かしますが、パルヴァは溶けにくい品種です。
仮に溶けても生命力が強いので再び生えてきます。 難易度は低めでしょう。
ただ、成長が遅いので、パルバのみの絨毯を作りたい場合、難易度が高くなる点は注意が必要です。成長が遅い分コケも生えやすくて、トリミングの頻度も高くなるのでなかなか増えないんです‥。
また、根が張るまでは抜けやすいので注意！
成長が遅くて絨毯は難易度高し！
パルヴァは草丈が小さいのが魅力ですが、成長が非常に遅く、絨毯になるまで時間がかかります。
前景一面のパルヴァの絨毯を作りたい場合はちょっと根気が必要かも。
対策は、諦めてパルヴァに似た別の水草を使うか、最初から底床を覆うくらいたくさん植えます。CO2も添加してあげると成長が促進されますよ。
購入する時は似た品種や交雑種に注意！
アクアリウムの世界では、間違った名前で売られていることが多く、「パルヴァだと思って購入したら別の品種だった」なんてことも多いです。
しかも、パルヴァと別のクリプトコリネが交雑した品種もたまにあります。
交雑種は形が非常によく似ていて、見分けるのが難しいためより注意が必要ですね。
交雑種の特徴は、大きく育ったり難易度が高くて枯れやすかったり、ちょっとだけクセがあります。子株なんかは見分けがつかないのでさらに注意ですよ。
対策は、信頼できるショップで購入すること。あとは返品可能なところで購入するとかですね。
クリプトコリネ・パルヴァが育たない・枯れる
クリプトコリネの中でもパルヴァは丈夫で枯れにくい品種ですが、ちょっとしたことでかんたんに溶けてしまうことがあります。
- 移動・流通の過程で株が弱った。
- 葉にコケが生えて溶ける。
- 肥料不足。
- 植栽後に何度も抜けてしまう。
クリプトコリネ・パルヴァが育たない・枯れてしまう原因をチェックしておきましょう。
流通の過程で株が弱った
移動によるショックやショップの管理がひどくて株が弱っている場合、水槽に植えてもそのまま溶けてしまうことがあります。特に、ショップの管理がひどいのは注意ですよ！
私の近くのホームセンターでは、コケまみれだったり、新芽が生えては溶けてを繰り返している株だったりと、状態が悪いものばかりが置いてあります‥。
こういう株は購入した段階からすでに弱っているので、水槽に植えても調子が出ない場合が多いです。
対策は、環境が悪いショップで買わないことと、状態が良い株を購入することです！
葉にコケが生えて溶ける
成長が遅く、葉も硬めなのでコケが付着しやすいです。見栄えが悪いし成長の邪魔になるので注意が必要です。コケに覆われると、最悪溶けてしまうことも。
対策は水中の栄養を吸収してくれる水草を植えたり、水換えの頻度を増やします。他にもエビなどコケを食べてくれる生体も効果的です。
どうしても取り除けない場合はトリミングで対処します。やりすぎると葉がなくなっちゃうので、コケが生えてこない環境を作るのが一番大切ですよ。
CO2添加もおすすめ。明らかに成長が早くなるので、コケがつきにくくなります。
パルヴァはCo2不要でも育てられますが、できれば添加したほうが良いかも。
肥料不足
肥料不足になると、葉の色が抜けて白っぽくなったり（白化）、葉が曲がったり（萎縮）様々なトラブルを招きます。そのまま放置していると、葉に穴が空いて溶けることがあります。
特に白化はよく見られる現象で、肥料不足が原因です。植物の色をつくる葉緑素（クロロフィル）が作れなくなることで、白っぽくなってしまいます。
水質は合ってるのに、なぜか調子が悪い場合は肥料を添加してみると良いかも。
クリプトコリネは根張りが非常に強いので、固形肥料がおすすめですよ。
植栽後に抜けてしまう
クリプトコリネの中でも特に小型の品種で、植栽直後はどうしても抜けやすいです。
特に底床の粒が大きい砂利とかノーマルソイルを使っていると抜けやすいですね。
引っこ抜けては植えるを繰り返していると、だんだん株が弱っていきます。調子が悪いとそのまま枯れてしまうこともあるので注意が必要です。
対策は、粒子の小さい底床を使うこと。ソイルならパウダーソイルですね。
私は、ノーマルソイルの上に数センチくらいパウダーソイルをかぶせています。植栽直後の浮き防止になるし、根張が強くなりますよ。
あと、ヤマトヌマエビなど大型のエビも注意。あいつら、余裕で引っこ抜きますよ！
エビは根付いてから入れたほうが良いかも。
一番確実なのは、ミスト式で立ち上げることですね。
水を張らない状態で水草を植えていくので、絶対に浮きません。
ちなみに、これは使っていない水槽に水草をストックしています。
水上化できる水草は、水を張らないで管理したほうが楽ですよ。コケも生えないし。
クリプトコリネ・パルヴァ（パルバ）の特徴
葉の長さが3㎝～4㎝くらいで幅が約３㎜くらいの小さなテープ状の葉です。水上葉は10㎝ほどまで大きくなりますが、水中ではその半分ほどの大きさになります。
色は明るめのライトグリーンでどんなレイアウトにも使いやすいでしょう。
クリプトコリネはたくさんの種類がありますが、その中でもパルヴァは最小種と言われています。
草姿がよく似ているルーケンスを一回り小さくしたような草姿が特徴的ですね！
小さくてかわいらしい見た目をしていて、小型水槽にもぴったりですよ。
そんなクリプトコリネ・パルヴァですが、特徴についてもっと具体的にチェックしてみましょう！！
クリプトコリネ・パルヴァを水槽に植えるならどのあたりが良い？
小型の水草なので、前景がおすすめ。
成長が遅いため、前景草のアクセントとしてレイアウトするとイイ感じになりますよ！
前景いっぱいに植えるとなると、それなりに時間がかかるのであまりおすすめしません。できなくはないですが‥。
中景は、うまくレイアウトすればイケるかな？
流木や石の隙間あたりに植えたり、ロゼット型の中景草と一緒に使うとか、パルヴァが隠れないようにレイアウトしましょう。
一応、前景草に分類していますが、思ったよりも大きめ。サイズ的には前景～中景の間くらいかな？
後景は無理ですね！絨毯レイアウトなら後景もいけるけど、他の後景草を植えている場合、埋もれてしまいます。
| オススメの植える場所 | |
|---|---|
| 前景 | ○ |
| 中景 | ○ |
| 後景 | × |
クリプトコリネ・パルヴァの魅力は小さいのに見ごたえのある葉
クリプトコリネ・パルヴァは葉を上に伸ばすのではなく、低床に張り付くように葉を広げます。タンポポの葉みたいな感じですね。
前景草というとグロッソスティグマやショートヘアーグラスなど草丈が小さいモノばかりですが、パルヴァは前景草の中では大きい葉を持っています。なので、とても見ごたえのある水景を作ってくれるはずですよ。
また、レイアウトを維持しやすいのも魅力ですね！
成長が早い水草は、長期間育成していると、大きくなりすぎたり陰を作ったりメンテナンスが大変なんですよね。
パルヴァは成長速度が遅く、その場で増えていくタイプです。こうみえて実はランナーを出さないんです。変なところから顔ウィダしたりしないので、レイアウトを維持しやすいんですよね。
ランナーを出す出さないは、よくわからん！
ネットとかではランナーで増えるとあるが、ある雑誌にはランナーで増えないと書いてあるぞ。
ランナーで増えているように見えているるだけなのかも。
クリプトコリネ・パルヴァと相性の良い魚は？
基本的にどんな熱帯魚とも相性が良いですよ。前景草の中では大型なので、大きな熱帯魚でもバランスが取れるし、小型の魚はもちろん相性が良いです。
私だったら、可愛い水槽を作ってみたいので、コリドラスハステータスとかプリステラを入れてみたい！黒ヒゲコケ対策としてブラックモーリーとかサイアミーズ・フライングフォックスもイイですね！
ちなみに、底床を荒らすクーリーローチやコリドラスは相性が最悪です。
根付くまでは引っこ抜けやすい上に、底床を荒らされると溶けてしまうことがあります。
クリプトコリネ・パルヴァと相性の良い水草は？
前景に混ぜるなら、ショートヘアーグラスと組み合わせるとかどうでしょうか？定番ですかね‥？
成長が遅い同士なので相性が良いかも？
あと、前景の中ではやや大きくなる点から、中景草のように使うのもアリ。同じクリプトコリネ系の水草に合わせるのはどうでしょうか！？
一応、陰性植物なので、陰性水草水槽の前景として使うのもイイですね！光量が足りなくて、大きくなっちゃいそうだけど‥。
育成データ
| 名称 | クリプトコリネ・パルヴァ |
|---|---|
| 学名 | Cryptocoryne parva |
| 難易度 | ★★☆☆☆ |
| カテゴリ | 前景草 |
| 水質 | 弱酸性～中性 |
| 硬度 | 中硬度 |
| 光量 | 60㎝20W 3灯以上 |
| CO2添加 | 3秒１滴（無くても可） |
| 価格 | 700円～ |
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クリプトコリネ・パルヴァの植え方
株で販売されていることが多いです。できれば無農薬が好ましいですが、手に入らない場合はしっかりと残留農薬の処理をしてください。
特にポット売りの場合、根本のウールに農薬が付着している場合があるので注意ですよ。
根元をピンセットでつまみ少し深めに植えます。
株が小さく、 根を張るまではとても抜けやすいので、抜けているのを見つけたら植えなおすようにしましょう。垂直に植えるのではなく、グイッと斜めにする感じに植えると抜けにくくなります。
また、なるべく抜き差しはしないほうが良いので、根付くまではエビは入れないほうが良いかも。
特にヤマトヌマエは高確率で引っこ抜きます。笑
パウダーソイルを使うとより抜けにくくなるのでおすすめです。
あとは、ミスト式で立ち上げるとか。
根を張ったあとに水を入れるので、引っこ抜ける心配がありません。
また、クリプトコリネ・パルヴァは成長が遅い上にランナーを伸ばして増えることがないので、あらかじめ密に植えるようにします。
- 根付くまでエビはいれないほうが良い
- 浮き対策としてパウダーソイルを使う！
- 最初から密に植える！
クリプトコリネ・パルヴァのトリミングと増やし方
クリプトコリネ・パルヴァはロゼット型に属する植物です。
株の根元の部分から放射状に葉をいくつも展開する。
新しい葉は株の中心（内側）から生えてくるのが特徴。
ロゼット型の植物にホウレン草や小松菜がある。
クリプトコリネ・パルヴァのトリミングは、古くなって変色した葉や溶けた葉を根元からカットします。増やし方は株分けを行ないます。
古くなった葉や変色した葉をトリミング
古くなった葉や枯れかけた葉が気になる場合、トリミングを行います。
トリミングの方法は、株の根元付近からカットします。
‥ここまでトリミングの方法について書きましたが、パルヴァは成長が遅いので、なるべくトリミングしないようにしましょう。
それに、トリミングをきっかけに溶けてしまうことがあります。
大体の場合、そのうち復活しますが、せっかく増えたのにまた一からやり直しはショックですよ・・。
枯れていたり溶けかけた葉、コケがひどい場合にのみトリミングを行なうのが良いかも。
コケが生えてこない環境づくりが一番大切ですよ！
- 根本付近からカットする。
- なるべくトリミングしない。
増やし方
成長はとてもゆっくりですが株は少しずつ大きくなり、親株に子株が生えてきます。
親株と子株を分離することで、株分けができます。
やり方は、株を引っこ抜いて、優しくほぐしながら親株と子株を分離します。
引っこ抜く時に底床を荒らさないように注意しましょう。
稀に親株と少し離れた位置に子株が飛んでいることがあります。
特に底床を荒らしやすいので注意してください。
株は小さいですが、根張はかなり強いです。意外と奥深くまで根っこを張っているので、揺らしながらゆっくり引っこ抜くのがコツですよ。
あと、あまり細かく分離しないように。調子を崩して、完全に溶けてしまう場合があります。
無事に親株と子株が分離できたら、あとはもう一度植えるだけでOK。
ちなみに、クリプトコリネは引っこ抜かれるのが嫌いで、そのまま溶けてしまう場合があります。
そのうち新しい葉を展開しますが、あまり株分けはしないほうが良いかも？
- 引っこ抜くときに底床を荒らさない！
- 株を小さくしすぎない！
- できれば株分けはしないほうが良いかも。
クリプトコリネ・パルヴァの販売情報
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