ウォータースプライトはオーストラリアや東南アジアなど温かい地域に広く分布しているシダの仲間です。実はミクロソリウムと同じ水生シダなんですよ!
日本ではウォータースプライトのことをミズワラビと呼んでいます。実は食用シダとしても有名です。
たしかにサラダに入っていても気づかない見た目ですよね。シーダーサラダってか!?
‥それでは、ウォータースプライトの育て方について確認してみましょう!!
タイニムファは水の妖精「ニンフ」が由来だったな。
ウォータースプライトの難易度
ウォータースプライトは水質悪化に強くかなり丈夫です。
調子が良いと成長速度もめちゃくちゃ早いです。ウォータースプライトの難易度は低いでしょう。
ただ、成長速度が早いということはそれだけエネルギーも消費するということ。かなりの肥料食いで、栄養が足りないと白化する事があるので注意してください。
ちなみに「育てるのが難しくなった」みたいな話をよく聞きます。他のサイトでもそう書いてありますね。
その理由に水中葉が手に入りにくくなった(水中化しにくくなった)からと言われていますが真相はわかりません!
でも確かに、水上葉を無理やり沈めて使っているなら難易度は上がりそうですよね。
リシアも本来は浮草なのに無理やり沈めて使うから難易度が高いですし。
ウォータースプライトでも同じことが言えるのかな・・?
ビオトーブや屋外で育てる場合は冬を越せないので注意!
ウォータースプライトは水質悪化に強いので屋外でも育てることができますが、暖かい地域の植物なので、冬には枯れてしまいます。
ビオトープでは越冬できないので注意してください。
ただ最近の日本は暖冬だからなのか、暖かい地域では年を越せる場合もあります。
ちなみに、「越冬できない」という表現は正しくありません。自分で書いていて言うののもアレなのですが。笑
というのも、ウォータースプライトはシダ植物なので葉に胞子のうを付けます。冬になると株は枯れるのですが胞子のうは生き残ります。
そして、暖かくなると胞子のうから新しい芽を出して葉を展開し復活します。
本当に強い植物ですよね。めちゃくちゃしぶといです。笑
成長速度が早いので増えすぎに注意!
成長速度が早く、環境が合うと大量に増殖します。放置しているとレイアウトが崩れるので、しっかり手入れしてあげましょう。
増えすぎたウォータースプライトは光を遮ったり肥料をを使い尽くして白化したりと、いろんなトラブルを招く事があるので注意してください。
増えすぎて困るのは贅沢な悩みですが、嬉しいのも最初のうち‥。
面倒くさくなって、だらしなく伸びっぱなしになるんですよね。笑
ショップで売られているのは水上葉また半水中葉が多い
ウォータースプライトは水上葉・半水中葉の2つの状態で売られています。
どちらかというと、育てやすい水上葉の状態で売られていることが多いですね。
水上葉の葉は硬くしっかりとした葉です。水中葉は柔らかく繊細な見た目をしています。
半水中葉は水中葉と水上葉の両方の特徴を併せ持っています。
葉の形・色・固さが少し異なりますが、見た目にはあまり大きな違いはありません。
半水中葉とは、高湿度の陸上で育てられた水草のこと。
名前の通り半分水中葉の特徴を持っています。
アクアリウムで使う場合、半水中葉で育てることになります。
半分は水上葉なので、陸上よりも過酷な水中では耐えられない場合があるようです。
最初は水面に浮かべておき、水中に少しづつ慣れさせてから沈水させましょう。
葉が茶色くなる原因は「コケ」「日焼け」「枯れ」の3つがある
ウォータースプライトが茶色く変色するのは単純にコケている場合と日焼けしている場合、そして枯れている場合の3つがあります。
ちなみに胞子のうがついている場合もありますが、水中では胞子嚢を付けないことが多いので今回は除外します。
ただコケている
水槽立ち上げ初期は、バクテリアが十分育っていないため茶コケやアオミドロが発生しやすいです。
このときに発生するコケは茶色い見た目なので、枯れているようにも見えますが、コケをとりのぞいてあげると意外とキレイな葉であることが多いです。
対策は茶コケの場合、勝手に消えるので放置ですね。アオミドロはエビに食べてもらいましょう。
生えてから入れるのではなくて、生える前に「予防」で入れておくと効果的ですよ。
あと最終手段としてトリミングがあります。
茶色いコケがいつまでも発生する場合、ろ過が追いついていないので肥料をやめたり水槽を大きくしたり環境を見直しましょう!
日焼けを起こしている
水中で育てているならほとんどありませんが、まれに日焼けが原因で茶色くなっている場合があります。
対策は照明から距離を離すこと。テラリウム水槽みたいに水面から顔を出すようなレイアウトだと日焼けしやすいので注意してください。
もし日焼けしてしまったら、きれいな緑色には戻りません。茶色くなっている株をカットしちゃいましょう。
枯れている
枯れて茶色くなっている場合もあります。
この場合、水上葉から(半)水中葉に切り替えている場合と環境が合わなくて枯れている場合があります。
水上葉の場合、水中でも育てるように新しく葉に切り替わります。このとき一度すべての葉が枯れ落ちるので株全体が茶色く変色します。
こちらでできる対策もないので様子見ですね。枯れた葉はコケの原因になるので取り除くようにしてください。
そして、1番厄介なのが環境が合わなくて枯れている場合です‥。
ウォータースプライトが育たない・枯れる(溶ける)理由
丈夫な水草ですが環境によっては上手く育たない場合があります。
育たない・枯れてしまう原因について、しっかりチェックしておきましょう!
- 光量・CO2は足りてる?
- 水質は合ってる?
- 急激に水質は変化してない?
- 肥料は足りてる?
光量やCO2不足?
CO2はあまり要求しませんが、コケが目立つ場合は不足気味かも?
栄養分と光量、CO2のバランスが崩れると様々なトラブル(コケ、成長障害等)を引き起こすので、不足しているようだったらCO2も添加してあげましょう。
あと、光量は意外と要求します。育成データには3灯以上とありますが、できれば4灯くらいあったほうが良いかも。
水質悪化に強くて、育てるのがかんたんではありますが照明だけは妥協しないように!
ただし!浮かせて使う場合は、もっと弱くても大丈夫です。
逆に強すぎると葉焼けして葉っぱが変色する場合があるので注意してください。
水質が合っていない
上手く育たないということは、水質が合っていない可能性もあります。
最も調子が良いのは弱酸性~中性くらいなので、なるべく低くめに抑えましょう。
といっても、グッピーにはウォータースプライト!なんて言われているように、弱アルカリ性でも普通に育ちます。
原因は他にあるのかも。
急激な水質の変化に弱い!
ウォータースプライトは水質の変化が大の苦手です。特にショップから購入して水槽に植えた直後が一番危険!
急な水質の変化に順応できず、調子を崩してしまう場合があります。
最悪の場合、そのまま溶けることがあるので注意してください。
対策は購入したらすぐに植えるのではなくて、水面に数日ほど浮かせておくことです。
水槽の水に慣れてくると新芽を出し始めるので、そしたら底床に植えましょう。
肥料が足りないと白化する
白化にはいろんな原因が考えられますが、何らかの栄養障害を起こしていることがほとんどです。
「どの栄養が不足しているか」を見分けるのはなかなか難しいですが、ウォータースプライトはかなりの肥料食いで知られているので、3大栄養素(窒素、リン、カリウム)を中心に肥料を与えると良いかも。
それでもよくならない場合もあるので、肥料を色々変えてみて原因を見つけましょう。
最初は少なめからスタートして、様子を見ながら量を増やしていくのが鉄則だ!
ウォータースプライトの特徴
スマートでかっこいい!というより、丸くて可愛らしい見た目です。
水辺の妖精(ウォータース プライト)に相応しい草姿ですね!大きいのを除けば・・。笑
草丈は大きく30cm以上はあります。幅広な葉でもあるので、余計に大きく感じるかも。
見た感じですが奇数羽状複葉(きすううじょうふくよう)でしょうか。左右に小葉を付けて一番上にも葉を展開します。
そして、最大の特徴は深い切れ込みが入った葉ですよね!まるで雪の結晶のような見た目です。
先端はやや丸みを帯びているのでより可愛らしい草姿をしています。
そんなウォータースプライトですが、特徴についてもっと具体的にチェックしてみましょう!!
ウォータースプライトを水槽に植えるならどのあたりが良い?
明らかに前景は無理ですね。笑
植えるとしたら中景以上でしょうか。ただ成長が早くてすぐに大きくなるので、できれば後景に植えたほうが良いかも。
後ろのガラス面を隠すように全体的にレイアウトしても良いし、後景サイドに植えてアクセントのように使っても良いですね!
ちなみに、浮かせておくだけでも育つのでビオトープにもおすすめです!
栄養分を強力に吸収してくれるので、ろ過の効果もありますよ。
オススメの植える場所 | |
前景 | × |
中景 | △ |
後景 | ○ |
ウォータースプライトの魅力はコケに先回りして肥料を使うところ!
ウォータースプライトはアンモニア性窒素が好きらしく、水質悪化の根源であるアンモニアを吸収してくれます。これって、フンが多い魚を飼っている水槽にはかなり魅力的ですよね!
しかもアンモニアが硝酸に分解される前に吸収してくれるので、コケに栄養が回りにくいのも魅力です!
植物には「硝酸態窒素」からアミノ酸を合成するのが得意な「好硝酸植物」と、「アンモニア態窒素」からアミノ酸を合成するのが得意な「好アンモニア植物」の2つがあります。
殆どの植物はアンモニアが硝酸に分解されて吸収できるようになりますが、ウォータースプライトは、アンモニアのままでも吸収できます。
好アンモニア植物はアンモニアの解毒が得意というわけだな。
ちなみに、水槽セッティング時はアンモニアを分解できるバクテリアが少ない点から、パイロットプランツとしても優秀ですよ!
ウォータースプライトと相性の良い魚は?
グッピーやめだかが一番相性が良いらしいです!
ウォーター スプライトといえばグッピー!なんて言われているほどですよ。
その理由は産卵床になるとか有害なアンモニアを吸収してくれるからとか色々と深い理由があるらしいのですが、一番はウォータースプライトとグッピーの組み合わせが最高にマッチしている点ですよね!
もちろん他の熱帯魚でも良いですね!水質の適応範囲が広いので、あなたが入れたい魚と組み合わせましょう!
ウォータースプライトと相性の良い水草は?
明るい色をしていて葉が大きい上に全体的に丸みを帯びているので、少し間違えるとおもちゃみたいなレイアウトになってしまいます。
そこで私だったら、メインにハイグロフィラ・ポリスペルマを使ってアクセントとして2~3株ウォータースプライトを植えます。
中景は流木に活着させたウィローモスとかアヌビアス・ナナですね。
流木を使わないでタイニムファを植えるのもアリかも!赤系の水草なので印象がガラッと変わりますよ。
育成データ
名称 | ウォータースプライト |
---|---|
学名 | Ceratopteris cornuta |
難易度 | ★★☆☆☆ |
カテゴリ | 後景草 |
水質 | 弱酸性~中性(弱アルカリ性) |
硬度 | 軟水~中硬水 |
光量 | 3灯以上 |
CO2 | 1滴/3秒 ※無しでも可 |
価格 | 6株(水上葉)650~1,000円 |
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ウォータースプライトの植え方
ウォータースプライトは急激な水質の変化に弱いため、しばらくは水面に浮かべて環境に慣れさせる必要があります。
だいたい1~2週間でゼンマイみたいな新芽が出始めます。そしたら沈めて使えるようになります。
ちなみにこのまま浮草として使うのもアリですよ。
植えるときは、ピンセットでぐいっとねじ込むだけでOKです。植えた直後は抜けやすいので、やや深めにねじ込むと良いかも。
このとき茎を押しつぶしたり、へし折らないように注意してください。
茎に柔軟性がないのでかんたんにポキッと折れてしまいます。
- 水槽の環境に慣れさせてから植えること!
- 茎が折れやすく潰れやすいので注意!
- 抜けやすいのでやや深めに植える!
ウォータースプライトのトリミングと増やし方
ウォータースプライトのトリミングは茎の根元付近からカットします。
増やし方は「子株を分離する」方法があります。
それぞれチェックしてみましょう!
大きくなりすぎたら茎の根元付近からカットする
大きく成長しすぎてレイアウトが崩れてきたり、コケや枯れが目立ってきたらトリミングを行います。
トリミングの基本は根本付近からカットするです。
ウォータースプライトは、根本から成長します。
適当な位置でトリミングすると成長してきたときに切り口が目立ってしまうことがあります。
- 葉の途中でカットしないこと!
- 茎が太いので切れ味の良いハサミを使うこと!
- 近くの株を傷つけないように注意!
株分け・増やし方
ウォータースプライトの株分けは子株を分離する方法と胞子のうから株分けする方法の2つがあります。
株を分離して増やす
株をたくさん増やしたい場合や、調子の良い株と悪い株を切り離したい場合に株分けを行います。
やり方は、株同士がくっついている根元付近を、優しくほぐして分離するだけでOK。
茎の1本1本がくっついているように見えますが、かんたんに切り離せますよ。
ただし、無理やり分離しようとすると、茎が折れたり傷つく場合があるので注意してください。
胞子嚢(のう)から増やす
一応シダ植物なので、葉に胞子嚢をつけるときがあります。
この胞子のうから子株を増やすことができます。
種がたくさん詰まった袋みたいなもの。
コケや菌、シダ植物に見られる。
やり方は、胞子嚢から子株が成長してきた葉をカットします。
また当然ですが、カットした葉の切り口はそのままなのでトリミングと一緒に行うと良いかも。
ある程度成長するまで水面に浮かべたら植えられるようになります。
- 無理やり株を切り離さないこと!
- ある程度成長するまで水面に漂わせておくこと!
ウォータースプライトの販売情報
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