クリプトコリネ・バランサエはサトイモ科クリプトコリネ属の陰性の水草です。主に東南アジアの水辺に自生しています。
自然界では乾季と雨季の季節の変化に順応し、水上化と水中化を繰り返して、たくましく生きています。水中では昆布みたいな見た目をしています。美味しい出汁が取れそうですが、水上だとただの草ですね。笑
それでは、クリプトコリネ・バランサエの育て方について確認してみましょう!!
クリプトコリネ・バランサエの難易度
ある程度高い硬度を好む水草です。
ただ、光量もCO2も多くは必要なく、特別な環境を整えなくても、管理自体はさほど難しくありません。初めてでも育てやすい水草です。難易度はかなり低いでしょう。
状態が良いととても大きくなるので注意。最低でも60㎝以上の中型~大型の水槽が適しています。
巨大化するので小型水槽の場合は注意
購入時は15㎝~20㎝程の長さで、小型水槽でもバランスがよく、なじみやすいサイズ感ですが、成長するにつれてかなりに大きくなります。環境が良いと葉の長さは60㎝を超えることも珍しくありません。
好みにもよるところが大きいですが、伸びすぎて行き場のなくなった葉が水面に広がる水景はちょっとだらしない印象ですね‥。
他の水草の日当たりも悪くなるので、大きくなりすぎたらトリミングをしましょう。
また、大きくなるといっても成長速度は少し遅めなので、レイアウトの管理はしやすいです。大磯砂や砂利などの環境でも育てやすく扱いやすいですよ。
成長が遅くコケが付着しやすい
成長が早いロタラと比べると成長速度は少し遅めで、古くなった葉のコケが気になってきます。
付着したコケは、見栄えが悪いだけでなく光合成の邪魔にもなるので、取り除くようにしましょう。
特に厄介なのがヒゲコケで、水質が悪くなってくると出てきますが、安定した水槽にも見られます。水槽内の排水部分や吸水口など流れが早いところに発生し、成長が遅い水草の葉に付着します。
一般的な対策は、コケを食べてくれる生体をいれるかトリミングですね。
私は、予防的に水換え時に少量の木酢液を添加しています。
低い硬度が苦手
クリプトコリネ・バランサエはやや硬度が必要で、硬度が低いと成長もゆっくりになります。硬度が低くすぎると溶けてしまうことも。
特に、ソイルは硬度を下げる効果があるので注意が必要です。大体の水草は低硬度を好むので、あえて硬度を下げてるんですよね‥。
ちなみに、CO2添加でも硬度が下がります。植物の育成に欠かせないけど、やりすぎには注意ですよ!
低い硬度は苦手だけど、パールグラスほど高硬度ではないので、調子が悪かったら気にするくらいで大丈夫です。
環境によっては葉の色が変色する
バランサエの魅力でもあるのですが、環境によって色合いを大きく変えます。
緑っぽい色から赤茶まで結構変化が激しいです。
なんで色が変わるのでしょうかね‥?光量はあまり関係なさそうだけど‥。
赤茶になってくれることを想定してレイアウトしたのに緑色のままだったとか、思ったとおりのレイアウトにならない場合があるので注意ですよ。
クリプトコリネ・バランサエが育たない・枯れる原因と対策
クリプトコリネ系は溶けやすい水草です。
ちょっとしたことで、かんたんに溶けてしまうので注意が必要です。
- 硬度が低すぎると溶ける。
- 急激な水質変化で溶ける。
- 肥料不足だと調子を崩す。
- 水上葉だと一度溶ける。
クリプトコリネ・バランサエが育たない・枯れてしまう原因をチェックしておきましょう。
硬度が低すぎると溶ける
初めに陥りやすい失敗が、新品のソイルに植えて葉を溶かしてしまう事ではないでしょうか。新品のソイルは、硬度を下げるなど水質調整効果が強く出ます。
硬度がやや必要で、水質の急激な変化が苦手なクリプトコリネ・バランサエにとっては、地獄そのものですね。笑
対策は、石や貝殻を入れて硬度とph(ペーハー)を上げるなど応急処置をします。
ただ、ソイルが持つ水の軟化(軟水化)も数カ月ほどで落ち着きます。パールグラスほど高硬度が必要なわけでもないので、何もせずに様子を見るのも手ですよ。
葉が全て溶けてしまっても根本の株さえ生きていれば、また新しい葉が生えてきます。焦って廃棄せずにそっとしておきましょう。
ちなみに、大磯砂や砂利であれば、このようなトラブルはめったにありません。ソイルならではのトラブルですね。
急激な水質変化で溶けることがある
クリプトコリネ系は、急激な水質変化が大の苦手です。丈夫なバランサエも例外でなく、大規模な水換え時や水槽立ち上げ初期は溶けてしまうことがあります。
私の経験ですが、トリミングと水換えが重なると溶けることが多いですね。あくまで、私の場合ですが!
ただ、心臓部の根本さえ生きていれば復活するので、焦らなくても大丈夫です。
もし溶けてしまってもとりあえず放置しておきましょう。そのうち生えてくるかもしれません。
根本がぶよぶよで溶けかかっていたらアウトです。残念ながら復活しません。
肥料不足だと調子を崩す
クリプトコリネ・バランサエは大きい草体に見合った根っこを持っていて根張が非常に強いです。なので、成長が遅い割に肥料は要求します。
肥料不足になると、葉が白くなったり(白化)、成長が鈍くなったり様々なトラブルを引き起こすので、しっかり追肥してあげましょう。
肥料には液肥と固形肥料がありますが、根っこから栄養をよく吸収するので、底床に埋める固形タイプの肥料がおすすめですよ。
水上葉だと一旦溶ける
クリプトコリネ・バランサエは水上葉と水中葉を持っていて、購入した株が水上葉の場合、葉の水中化が必要です。
この水中化の時に、全ての葉が溶けてなくなります。こちらでできることもないし、完全に水中化するのに数週間はかかるので放置でOKです。
小難しいクリプトコリネは水中化に失敗することがありますが、バランサエなら大丈夫なはずです!
クリプトコリネ・バランサエの特徴
ミクロソリウムよりも細長いテープ状で、色は鮮やかな緑色~深い緑色と落ち着いた色合いなのが特徴です。どんなレイアウトにもなじんでくれて、美しい水槽にしてくれますよ!
成長はアヌビアスとかよりは早いけど、ロタラと比べるとややゆっくりで、とても大きく育つのも特徴の一つですね。
そんなクリプトコリネ・バランサエですが、特徴についてもっと具体的にチェックしてみましょう!!
クリプトコリネ・バランサエを水槽に植えるならどのあたりが良い?
環境が良いと60㎝以上になります。とても大きく成長し、高さのある水草なので後景に植えるのが最も適しているでしょう。水槽のバックスクリーン的なレイアウトとか良いですね!
前景は当然のことながら無理です。わかめ水槽になってしまいます!!
中景は場所によってはイケますね。
流木の隙間とか、ちょっとしたアクセント的に使う感じ。ただ、お手入れは必須ですよ。
オススメの植える場所 | |
---|---|
前景 | × |
中景 | △ |
後景 | ○ |
クリプトコリネ・バランサエの魅力は大きな葉と成長の遅さ!
クリプトコリネの魅力は葉の長さですね!葉と葉が密生しているので、魚やエビの隠れ家になります。時には産卵床にもなります。
また、後景の最後部に植えても、しっかり存在感を発揮してくれて、魅力的な水槽に仕上げてくれるはずですよ!
何本ものテープ状の葉が揺らめく水景はとても癒やされますよ!
あと、成長がやや遅いのも魅力の1つですね。トリミング頻度が低いので、お手入れをしなくてもレイアウトを維持できるんです。後景草って、成長が早すぎてレイアウトを崩しやすいんですよね‥・
クリプトコリネ・バランサエと相性の良い魚は?
クリプトコリネ・バランサエは、青系・赤系どんな魚とも相性が良いですよ。
ただ、コリドラスとかどじょう系は相性が悪いかも。クリプトコリネ系は、引っこ抜かれるのを嫌うので、底床を荒らす魚との相性が悪いんですよね。
私だったら、オーソドックスにメインの魚を小型カラシンにして、アクセントとしてブラックファントムやレッドファントムとか使いますね!
とりあえず、底床を荒らさなければどんな魚でも良いと思います。笑
クリプトコリネ・バランサエと相性の良い水草は?
ある程度背丈のある水草と相性が良いですね。
周りの水草が小さいと、バランサエだけが目立ってしまって、立体感のない水槽になってしまいます。
バランサエは、後景のワンポイント的に使うのが一般的かな?
例えば、ウォータースプライトとかアルテルナンテラレインキーの最後部に植えるとか。流木で半分くらい隠して、ちょっと顔を出す感じも良いですね。
あとは、クリプトコリネだけのレイアウトとかも面白そうです!
育成データ
名称 | クリプトコリネ・バランサエ |
---|---|
学名 | Cryptocoryne crispatula var.balansae |
難易度 | ★★☆☆☆ |
カテゴリ | 後景草 |
水質 | 弱酸性~中性 |
硬度 | 軟水~中硬水 |
光量 | 60㎝20w2灯以上 |
CO2添加 | 60㎝ 1滴/3秒(無くても可) |
価格 | 500円~ |
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クリプトコリネ・バランサエの植え方
バケツに水を張り、スネールの卵などの付着物を取り除いていきます。無農薬ではない場合、しっかり残留農薬を抜きましょう。
ソイルに植えるときは根を傷つけないように優しくピンセットでつまんで深めに植えます。
つまむ時は心臓部である根本ではなく、根本に近い根っこをつまむようにすると、根本を傷つけにくいですよ。
また、購入した株が大きいと浮力も大きくなるので、注意してください。
どうしても浮いてしまう場合、少し斜めにするイメージで植えると安定しやすいです。
大きく成長するので、株同士は3㎝以上離したほうが後々のメンテナンスが楽になるかも。
最初はスカスカでも、根本から新芽を展開して、そのうち密になるので安心してください!
また、大磯砂や砂利の場合、尖った石が根本を傷つけてしまう事があるので、底床にねじ込むのではなく、上から砂利を被せる感じで植えるようにします。
- 株同士を3cmくらい離す。
- 浮きやすいので深く植える!
- 大磯砂や砂利の場合は根本を傷つけないように注意!
クリプトコリネ・バランサエのトリミングと増やし方
クリプトコリネ・バランサエはロゼット型に属する植物です。
古くなったり伸びすぎている外側の葉をトリミングします。
ロゼット型の植物にはたんぽぽやホウレン草、小松菜があります。
クリプトコリネ・バランサエのトリミングは外側の古い葉をカットして整え、増やし方は親株と子株を切り離します。
彼書けていたり古くなった葉をトリミングする
古くなった外側の葉を清潔で切れ味の良いハサミで根元から数ミリ上をカットします。
枯れかけたり溶けかけた葉や、コケがついた葉もカットしましょう。
水面を覆ってしまうような大きな葉も、水槽全体の日当たりが悪くなってしまう原因になるので、トリミングを実施します。
ポイントは必ず葉の根元からトリミングすること。葉の途中からカットしても、葉が枯れるだけです。葉の先が茶色く変色するし、見栄えも悪いです。
また、手でちぎったり無理やり引っ張るのも絶対にやめましょう。根本を傷つけたらアウトです!
- 必ず根本からカットすること!
- 手でちぎらない、引っ張らない!
- 水槽全体のバランスや日当たりに注意!
親株と子株を切り離して増やす
調子が良く葉が増えてくると、親株はランナーを伸ばし、新しい別の株(子株)が生えてきます。子株は親株とランナーでつながっているので、ランナーをカットし子株を引っこ抜くことで、分離ができます。
根が思った以上に深く広くに伸びているので、底床を荒らさないように注意してください。あと、引っこ抜かれたストレスで溶けることがあるので注意!
できれば水槽のリセット時やレイアウトの変更など、大型のメンテナンス時に行ったほうが良いかも。
ちなみに、引っこ抜いた子株は、再植後に葉が全て溶け落ちてしまうことがありますが、また新しい葉が出てくるので大丈夫です。
- 根本を傷つけないように注意!
- 底床を荒らさないいように注意!
- 子株の再植後に溶けることがあるがそっと見守る!
クリプトコリネ・バランサエの販売情報
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